カウントの功罪

新しく振付を覚える際に、カウントを利用した覚え方をする人がたくさんいます。

 

カウントを利用して振付を覚えることにはメリットとデメリットがありますが、カウントを利用している人には、デメリットの認識があまりないように思われます。

 

メリットとデメリットを正確に把握した上で、日頃のレッスンをどのように受けるべきか、改めて考えてみましょう。

 

 

カウントが必要になる理由

踊りのレッスンの目標は、踊りの先生とそっくりに踊れるようになることです。カウントせずとも上手に踊れるのであれば、本来はその方が良いのです。しかし、リズムの難しい箇所など、自分の理解できる範囲を超える場合は、先生の手本を何度見せてもらっても、上手に踊れないかもしれません。

 

レッスンが先に進んでしまうと、踊れない箇所がそのままになってしまうので、「どの動きが何拍目、どのパソが何拍目の裏から始まる」という具合に、カウントを利用して覚える必要に迫られることもあるでしょう。

 

カウントを利用して踊りのリズムを覚えるのは生徒側の事情ですが、先生側には別の事情があります。お手本を何度か見せても理解してくれない生徒に対しては、カウントで教えて済ませようと考えるのです。先生としては、踊りのリズムを伝えるために、同じ箇所を繰り返して、クラス全体のモチベーションを下げるのは避けたいところでしょう。

 

 

カウントを使う時

カウントを利用している人を見ていると、次の2つに分けられます。

 

リズムの難しい箇所を、カウントを利用して覚える

曲の最初から最後まで全てを、カウントを利用して覚える

 

リズムの難しい箇所を、カウントを利用して覚えるのは良いでしょう。レッスン中に、なんとなくできたつもりでも、後で復習してみると細かい箇所を思い出すことができない…という経験のある人は多いでしょう。その時、カウントという確かな情報があると、それをよりどころにして、先生から習った振付を復元できる可能性が高くなります。

 

ただし、曲の全てをカウントを利用して覚えることは避けるべきです。特に、比較的容易なリズムのマルカールなどをカウントに頼って覚えてしまうと、頭の中は数字でいっぱいになってしまい、歌やギターと共演してもバックを聞く余裕はありません。

 

 

最大の課題

カウントとは、リズムを覚えるために仕方なく利用するものなのです。実際、いわねがファルセータや踊りのリズムを覚えるためにカウントを利用することは、特殊な場合(ブレリアが⑨拍目で止まるなど)を除いてほとんどありません。

 

カウントを利用してでも、振付を覚えられたら良い…でしょうか?いいえ、大きな課題が残っています。

 

それは、「カウントせずに踊れるようになること」です。

 

地図を見ながら道を歩くことを想像してみましょう。突然に地図が無くなっても、迷わずに歩くことができるでしょうか?カーナビの指示に従って走った道を、カーナビ無しに間違えずに走れるでしょうか?地図やカーナビに頼らずに、景色を見て覚えていたら…こんなツケは回ってこなかったのです。

 

そして、さらに厳しい現実があります。

 

カウントを利用して振付を覚えた後、カウントせずに踊れる方法を習いたくても、どこの踊りのクラスでも教えてくれません。後に回した課題は、いつか解決しなければならないのです。

 

 

カウントの功罪

リズムを理解するのが難しい振付であっても、カウントを利用すれば比較的容易に覚えることができます。その反面、カウントせずに踊れるようになるための練習が、後になって必要になるのです。

 

初心者でリズムを理解できなかった頃、カウントを利用せずに、リズムを理解しようと努力して振付を覚えていたら…こんなことにはならなかったはずです。後々のことを考えたら、必要な勉強を先にしておいた方が本当は良かったのです。

 

カウントを利用することのメリットとデメリット、これを知った上でカウントを利用して下さい。

 

既に覚えている振付をカウントせずに踊る方法が見付からない場合は、1人で悩んでも解決しないと思われます。いわねは、こういったお悩みにも対応しています。お気軽に練習伴奏をお申込み下さい。

 

カウントから解放されると、踊ることはもちろんのこと、歌やギターを聞きながら踊ることも楽しくなります(^^)/ 

 

 

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